早稲田大学石田研究室


周波数変化を知覚すための聴力検査法に関する研究

田邊 佑介


1. 研究目的

高齢者業者の聴力低下に伴い,音声聴取能力の低下が生じ,作業に関する情報の伝達がうまくいかず,それが原因で災害などを誘発する問題がある.これらに対する対策はあまり講じられていないのが現状である.これらの問題を解決するためには次のことが考えられる.健康診断などで音声を聴取する能力を測定し,その能力が低い場合には本人,もしくは環境において対策を講じることである.つまり,音声を聴取する際に必要な人間の聴覚特性を簡易に計測できる検査が必要なのである.そのためにはこれらの特性と検査との関係が明らかにされなくてはならない.

そこで,本研究においては,周波数の変化を弁別する特性に注目し,それを計測する簡易な検査法を三つ作成し,この三つの検査間における相違,またこれらの方法と人間の聴覚特性との関連性について調べることを目的とする.

2. 実験方法

周波数の変化を弁別する閾値を測定する.被験者に五つの音を提示した.その中の四つは周波数が一定した音(純音)を提示した.この音を基準音とする.その中の一つだけは基準音とは異なる音を提示した.被験者にはこの音が提示された順番を口答させた.検査1,検査2,検査3においての違いはこの口答すべき音の波形の違いにある.
検査1:口答すべき音は基準音とは異なる周波数の純音であり,周波数は一定である.
検査2:口答すべき音は基準音の周波数から指定の周波数に変化する.
検査3:口答すべき音は基準音の周波数から指定の周波数に変化し,その後基準音の周波数に戻ってくる.
 以上の三つの検査の提示例を図1に示した.基準となる周波数は低・中・高周波数の三つとし,提示時間も40msと60msの二つとした.提示間隔は1000msとした.あわせて最小可聴閾を測定する純音聴力検査と実際に会話音を聞かせて音声聴取能力を測定する語音聴力検査も実施した.

周波数変化弁別検査
図1 周波数変化弁別検査

3. 結果

検査1と検査3においては全ての条件において有意な差が認められた.検査2と検査3においては基準周波数が高周波数の条件のみ有意な差が認められた.

4. 結論

・周波数の変化を弁別する人間の聴覚特性を簡易に測定する検査法としては,今回作成した三つの検査の中では周波数変化弁別検査3がふさわしい.
・周波数変化弁別検査1は語音聴力検査に取って代わる検査として有効である可能性がある.


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