早稲田大学石田研究室


レイアウトの変化による室内雰囲気評価の違いについての実験

乙部 隆行


1. 目的

SOHO(Small Office/ Home Office)環境を念頭に置き,机を中心に,キャビネット,本棚,ソファ等のレイアウトの変化から室内の雰囲気にどのような違いが見られるか,また紙とパソコンという2つの提示方法による違いが見られるか考察することを目的とする.

2. 方法

紙ではカラー印刷された画を,パソコンではディスプレー上に3Dで表現された部屋の内部を,ウォークスルー機能を用いて被験者に操作してもらい,それぞれの雰囲気に対する評価を各々の被験者に調査用紙に記入してもらった.

3. 結果

得られた評価のデータをもとにイメージプロフィールを作成した.同時に因子分析もし,それぞれの因子についてコンセプト間,男女間に有意差が認められるか見るため分散分析を行った.その結果,視覚による室内イメージの場合,快適だと感じる因子と集中できると感じる因子は別であることがわかった.また部屋全体のイメージとしてはパソコンと紙という提示方法による違いは見られなかった.

刺激となる4つのコンセプト
図1 刺激となる4つのコンセプト

実験画面の一例
図2 実験画面の一例

4. 結論

室内環境におけるイメージについて男女差は,形容詞によるところが大きい.特に「動的−静的」という言葉から感じるイメージに対しては,自分なりの解釈によって,そのイメージを作り上げているように感じた.

また室内環境を実際に生活はせず,視覚のみで快適だと感じるのは,開放感に準ずる因子に関与しており,開放感のありすぎる部屋は,作業をする場所というイメージが湧きにくいことも今回の実験でわかった.


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