実際に運転する場合とドライビング・シミュレータの場面では様々な点で違いがある.そのひとつに実際の場面と映像の画面の大きさの違いがあげられる.
そこで本実験では,速度間隔について実験する.その中でも特に画面の大きさと,そこに表示される映像の大きさの違いに着目して考察する.
プロジェクタ上に,オプティカル・フローを提示し,その速さについて1から100までの100段階で推定してもらう.またその際に,プロジェクタに投影された画面の大きさを様々に変えて実験を行う(表1).
表1 各画面タイプの設定
TYPE1は,標準の画面サイズに刺激を提示し,TYPE2は,画面サイズと刺激の大きさを共に縮小する.TYPE3は,画面のサイズは縮小するものの,刺激の大きさに関してはTYPE1と同じ大きさで表示する.よってTYPE3は,TYPE1の上下左右を切り取った形になる.画面のサイズ,画角は表1の通りである.また,TYPE2とTYPE3は,面積において,TYPE1の1/2になるように決定された.
図1,図2に実験の結果を示す.
実験の結果,TYPE2では,他の画面タイプと比べて,速さの推定値が有意に高かった.また,いずれの条件においても低速度において速度を過大評価し,高速度において速度を過小評価する傾向が見られた.
図1 推定値と実速度のグラフ(標準刺激無し)
図2 推定値と実速度のグラフ(標準刺激有り)
本実験から,刺激の大きさ(実車の映像を使用するなら映像の大きさ)は,速さの知覚において重要な要因となる.画面自体の大きさについては,速さ知覚とは関係しないということが言える.
また,結果の章でも触れたが,どの条件でも低速度を過大評価し,高速度を過小評価した.
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