早稲田大学石田研究室


映像シミュレーション上での車間距離感覚に関する一研究

井澤 賢司


1. 目的

映像シミュレーションを用いた車間距離判断が実際の車間距離と比較しどのような傾向を示すのかを検討すると同時に,画面の大きさが車間距離判断に与える影響を検討する.また基準を提示し,被験者の車間距離感覚を補正させることで,車間距離判断がどのように変化するのか,画面の大きさの点から考察を行う.

2. 方法

実験I:
 一般道で撮影された映像と圏央道で撮影された映像と別々に見せ,それらの映像をスクリーン上とテレビモニター上で判断する2条件の実験を行う.

実験II:
 実験Iと同じく,圏央道と一般道で走行している映像を,スクリーン及びテレビモニター上に映し被験者に見せる.実験2では,車間距離を判断させる前に基準となる車間距離を提示する.

3. 結果

・スクリーン上で車間距離を判断した場合,実際の車間距離よりも判断距離は短くなっている.
・テレビモニター上で判断した場合,車間距離が短い時には,実際距離よりも長く判断し,車間距離が長くなると,実際の車間距離よりも短く判断する.
・基準を提示すると,スクリーンとテレビモニター上での判断距離は提示する車間距離の長さに関係なく同じ傾向を示す.

スクリーンでの距離判断(一般道)
図1 スクリーンでの距離判断(一般道)

TVでの距離判断(一般道)
図2 TVでの距離判断(一般道)

4. 結論

・スクリーンでの判断と比較すると,テレビモニターでの判断距離のほうが長くなる.
・スクリーンでの車間距離判断は,常に実際距離よりも短く判断され,実路での実験結果とほぼ一致する.テレビモニター上での判断距離は,短い距離では,実際距離よりも長く判断されるが車間距離60m付近でその関係は逆転する.


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