早稲田大学石田研究室


短期記憶保持量の大きさが,精神的負荷に与える影響に関する研究

松井 貴之


1. はじめに

「情報化社会」という呼称が,わが国の生活・労働環境の形容として使われ始めてから十数年経過した.

オフィスワークにぴて考えてみると,「情報化」の副産物として以下のようなことが生じている.伝票発注処理から大規模なプラント制御にいたるまで,提示情報に対して短期記憶保持を伴う作業が増加し,その重要性も増してきている.また過程においては電話による音声案内サービス(例えば,パーソナル・コンピュータでのエラーに対する対処法を個々のメーカーのサービスセンターに聞く場合にとられている音声案内サービスで電話番号の他に提示された項目に該当する数字を順に入力していくと解決法がわかるようになっているもの)や買い物の際のカードによる支払いのときに入力する暗証番号などに接する機会が増加している.この際に提示された全情報を一時的に保持し,その中から対応している情報を選択して,また新たな情報を得るようなシステムをとっているために,情報をより正確に覚えなければならない.

このような状況で,作業者が迅速かつ正確に,より少ない負担で作業するためには,作業ごとの適正な提示情報量を検討する必要がある.

2. 目的

本研究では,視覚・聴覚双方の提示による短期記憶保持課題を用いた作業を課し,心理的・精神的な負担の関係を検討することによって,言語的情報の適正な提示情報量の検討のための資料を得ることを目的としている.

3. 方法

本実験では,パーソナルコンピュータを用いて,言語情報(数列)の記憶−再生作業を視覚的,聴覚的にそれぞれ被験者に連続的に繰り返し課した.以下に実験風景を示した.

提示数とパフォーマンス
図1 提示数とパフォーマンス

4. 結果及び考察

今回の実験においては,短期記憶保持が完全ではなくなる提示数7を境にして,精神的負担が高まってきた.また,視覚提示のほうが聴覚提示と比べ,再生率が良いというものであった.


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