早稲田大学石田研究室


一眼レフカメラ撮影時に生じる手ブレの構造解析

宮崎 昌亮


1. 背景

写真撮影というものは古くから行われているものだが,年々その操作の自動化,簡単化が進んでいくにつれ,十分な訓練をつんでいないユーザーでも美しい写真を撮影することが可能となった.そのため,大衆の間でも広く普及してきている.コンパクトカメラと同様に一眼レフカメラも自動化(今まで,一眼レフカメラはその操作方法が複雑なため写真を専門で撮っている人意外には難しくて十分に使いこなせることができなかった)によって,その複雑な操作を必要としなくなったため,同様のことが言えるようになった.一眼レフカメラが手軽に扱えるとなると,コンパクトカメラよりも状況にあった写真が撮れるといった面においてとても便利である(一眼レフカメラはその特徴としてレンズ交換が可能なため,様々なアングルでの撮影が可能となっているため,普通の人でも様々な写真撮影が容易に行えるようになってきた).しかし,それと同時に操作が自動化していけばいくほど今度は撮影者によって出来上がってくる写真い違いが出てくるようになってきた.その大きな原因が「手ブレ」である.

カメラ自身の振動が少なくなってきた今日,よりきれいな写真を撮るためにはどれだけ手ブレを少なくするかが重要になってきている.

2. 研究目的

シャッター押し動作時におけるカメラ自身の振動ができるだけ少なくなってきた今日,撮影をする人によって,出来上がってくる写真のそのまま撮影者の振動の様子が反映されてしまっている.それはカメラ自身の重さ,サイズによっても変わってくるが大きな原因は手ブレのブレ量の違いであると考えられる.その改善策としてカメラのシャッタースピードを速くする,三脚撮影を行うなどがあるが,前者においては光量の減少という問題がおきてしまいストロボを使うか感度の良いフィルムを使うという手段を必要とするし,後者においては三脚の持ち運びに不便であるという問題がある.手軽にきれいな写真を撮るためには結局のところ手ぶれをどうやって少なくするかによってくる.手ブレをできるだけ少なくすることでよりブレの少ない写真が撮れるはずである.

よって本実験では,写真撮影における手ブレの要因を3軸の加速度計を使って抽出し,振動量を数量化した後,撮影時の振動量の分散値と,フィルムによって得られた手ブレのブレ量との相互関係を測ることでその関係を明確化する.そうすることによって,手ブレの構造モデルを解析することを目的とする.

3. 実験方法

・カメラのマウント部に取り付けた加速度センサーのデータを用いて撮影時のカメラの動きを数量化する.
・カメラのシャッターボタンに取り付けた圧力センサーのデータを用いて撮影時の被験者がシャッターを押す力を数量化する.
・写真のフィルム(CD)に記録されたLEDの軌跡を測定し,各条件下での手ブレの量を明らかにする.
・それぞれのデータの相互関係を見て,カメラ撮影時の手ブレの構造モデルを解析する.

4. 結果

表1 全体の相関
全体の相関

表2 被験者2
被験者2

5. 考察・結論

フィルムのブレ量とその他の値との相関はほとんど見られなかった.これについて考えられることの一つは,まず振動の分散値が正確なデータではなかったということである.この時とった分散値は圧力のピーク値から前後1/2秒であったため,実際にシャッターが開いている間よりも長くとってしまっているので,フィルム上のブレ量との時間差が起きている可能性がある.もう一つは各被験者・各撮影によってシャッター押し動作時間における圧力のピーク値が必ずしもシャッターの開いている時間の中心ではないということが考えられる.ということは全体における相関はなくても被験者個人においては相関がある場合があっていいはずである.

被験者2を例に挙げるとフィルムのブレ量と加速度のブレ量に相関があることがわかる.このときx軸(左右)との相関が多少あり,またz軸(上下)との相関もある.つまり,被験者2の撮影によって得られたフィルムのブレ量は左右,上下の振動の量に大きく影響されているということが言える.

つまり,本研究における写真撮影時のブレ量はシャッター撮影時の左右,上下の振動に大きく影響を受けているということが考えられる.


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