早稲田大学石田研究室


視覚−聴覚刺激感の精神物理学的研究

小長井 将史


1. 目的

モダリティへのアプローチとしては縦型のものが圧倒的に多いが,それらは明確に独立してはおらず,生体における一つのシステムとして考えることもできる.そのような見地から,人間の感覚という提示の領域において相互作用としての情報処理や情報交換がどのように行われているかは興味深いテーマとなる.

視覚と聴覚という人間の間隔を取り上げ,視覚優位性を考慮して,視覚刺激に対する反応時間に音刺激の周波数の違いがどう影響するのかを簡単に考察する.

2. 方法

IBM5540機種を用い,プログラムによって視覚刺激と聴覚刺激とを両方ともに提示させ,視覚刺激に対してのみ,キーボードのスペースキーをたたくことで被験者に反応してもらい,反応時間をデータとして得る.

用いた視覚刺激を図1に示す(実際の色はGreen).

光刺激
図1 光刺激

用いた音刺激の種類は,125Hz,500Hz,2kHzの三種類である.125Hz=A,500Hz=B,2kHz=C,無音=Dとしてこれを1setとしてランダムに提示させる.またこの時,1setに二つは,音刺激と光刺激が同時に提示されるようにする.試行回数は100回200msec.被験者は15×2名.

3. 結果

個々のデータを,音刺激別に平均値を求め,箱ひげ図化したものを以下に列挙する.

低周波数の音刺激は,光刺激に対する反応時間を抑制させるという加重効果が,p<.05で得られた.

それぞれの音刺激別の平均値の箱ひげ図
図2 それぞれの音刺激別の平均値の箱ひげ図

音に光を同時提示したものと遅延させたもの
図3 音に光を同時提示したものと遅延させたもの

下降系列と上昇系列の比較
図4 下降系列と上昇系列の比較


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