早稲田大学石田研究室


AFカメラのAFロックの難易とその要因への一考察

安達 八潮


1. 目的

技術発展に伴って,最初は小さな穴を通して映った像を記録するだけだったカメラも,自動で露出,ピントあわせができるようになり,それだけでなくプロの撮るような写真が,初心者でも簡単に撮れるカメラなど,より高度で,多彩なものが出回るようになった.日本では,カメラはたいていの人が一度は手を触れる機会のある機械の一つである.このように身近な機械の一つとなったのも,初心者には難しい操作であった露出やピントあわせが自動化され,時と共に,より簡単に,より正確に写真が撮れるように,カメラ自身が進化してきたからであろう.

しかし,このように技術が進歩,発展してきているとはいっても必ず何かの欠点,欠陥はあるものである.今回のテーマのAFロックは,AF(自動焦点)という機構が未だ完全でないためそれをカバーするために生まれたものである.ますます多くの人が美しい写真を簡単にかつ正確に撮影できるようになるためには,この機構が簡単で,無理のないものである必要がある.これらのことを踏まえて研究を進めていく.

AFロック機構が簡単で無理のないものであれば,多くの人が自分の目的にあった写真を撮れるようになる.そこで,現実にどんな程度かを知り,もし不都合な点があるならその原因を知る必要がある.このことを探るために,使用者の経験,知識やシャッターの押し方などの技術的な面で,撮れる写真に違いがあるかどうかを調べ,違いがあればそれはどんな要因によるものかを分析する.これが今回の研究の目的である.

2. 方法

(器具,材料)
・教示(使用説明書)によってAFロックによる撮影に与える影響を見るために,カメラについている説明書そのままのもの(教示文1),その文から専門用語を平易な言葉に変え,AFロックの手順を示す図のついた説明書(教示文2)の2つを作成した.
・経験による影響を見るため経験,知識を聞くアンケートを作成した.
・シャッターの押し方による影響を見るため圧力センサーを用いる.
・ピントのあっている度合いを見るため視力検査表を使用した.
 (視力検査表は,写真の解像度を見るシートと同じ原理であり,そこに使われているランドルト環の切れ目が写真にしたときにどこまで見えるかを横の視力の値を使ってデータにする.)

1)被験者にアンケートについて解答してもらった.そして被験者の氏名,年齢,性別などを記録した.
2)被験者の視力が著しく悪ければピントを合わせるという作業に差が出てしまうため,あらかじめ視力を検査した.
3)被験者には次のように教示した.
 「今からこのついたてに貼ってある視力検査表を作成してもらいます.この視力検査表が丁度左端ぎりぎりにおさまるような写真を撮影してもらいたいのですが普通に撮影しようとしてもこの視力検査表にはピントが合いません.ピントを合わせた写真を撮るための方法は今から渡すこの紙に書いてあります.そこに書いてある文章をよく読んで自分なりに理解したと思ったら撮影をはじめます.ではまず読んでください.」
4)教示文1または2を読んでもらった.
5)その後3回撮影をさせた.
6)実験者は撮影済みのフィルムを現像し,六つ切りの印画紙に焼き付けた.

3. 結果

表1 男女間の得点t検定(教示1)2回目
男女間の得点t検定(教示1)2回目

表2 条件間のピントの合い方t検定(2回目)
条件間のピントの合い方t検定(2回目)

1)表1は教示1を読んで撮影をした男女間でピントの合い方を比べたものである.
2)表2は教示1を読んで撮影をしたグループと教示2を読んで撮影をしたグループのピントの合い方を比べたもので2回目とあるのは3回の撮影のうちの2回目という意味である.
3)有意水準は5%である.

4. 考察

上の表より,教示1つまりカメラの使用説明書を読んで撮影をすると男性は女性よりピントのあった写真を撮れることになる.このことを裏返して考えてみれば教示文1を読んだ女性は男性よりピントのあわない写真を撮ってしまうことになる.
 下の表より,教示間でピントの合い方に差はない.

5. 結論

教示間で差が見られなくても,少なくとも,教示文1が性別によって写真のピントの度合いに差をつけたということは教示文はAFロックを用いた撮影に影響を与えると思われる.


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