早稲田大学石田研究室


信号交差点通過におけるドライバーの判断の研究
−アンケートを用いた行動決定要因の調査−

斎藤 孝雄


1. 調査目的

本研究では,ドライバーの意識と行動との関係に焦点をおき,信号交差点での現示の変わり目におけるドライバーの判断について,アンケート調査と,実際の交通行動の観察を通して,判断に関わる要因及び後続車との関係を明らかにすることを目的とする.

2. 調査方法

調査対象は,アンケート調査においては,小型車のドライバー104名,大型車のドライバー100名で,回収率はそれぞれ100%,64%であった.
 交差点行動観察においては,都内笹目通り内回り,高島平二丁目交差点を通過する直進車両とした.
 調査日時は,アンケート調査においては1990年8月〜11月,交通行動観察においては1990年10月の3日間で計9.5時間であり,いずれも天候は曇り,路面は乾燥した状態を選んだ.
 手続きは,アンケート調査においては,対象者につながりのある人に配布・回収を委託する方法をとり,交通行動観察においては,当該交差点にビデオカメラを設置し,交通行動を撮影した.
 集計・分析には,両調査ともパーソナルコンピュータを用い,交通行動観察については,ビデオ・メジャーリングゲージにより,画像から実際の距離を算出した.

3. 調査結果

1)アンケート集計より得られた結果を図1,図2に示す.

停止判断における小型車と大型車比較(車速)
図1 停止判断における小型車と大型車比較(車速)

後続車種の違いと車間距離の関係(停止判断を下す場合)
図2 後続車種の違いと車間距離の関係(停止判断を下す場合)

以上より,ドライバーの意識においては,大型車のほうがより高い速度でも停止判断を下し,後続車が大型車の場合,より多く車間距離を要することがわかる.

2)交通行動観察より得られた結果を図3に示す.

交差点接近速度と停止車両の関係
図3 交差点接近速度と停止車両の関係

以上より,実際の交通行動においては,停止車両の交差点接近速度は大型車の方がより低い速度であることがわかる.

4. 考察

ドライバーの意識においては,大型車のドライバーのほうがより交差点の危険度に対応する安全性が重視する傾向が見られた.これは,ドライバーが受けている安全運転教育の違い,また急停止などの緊急行動が困難な大型車の車両特性によるものと考えられる.後続車との関係については,車種による違いが,停止判断に影響を及ぼすといえる.

実際の交通行動においては,停止車両の速度は,大型車の方がより低いが,交差点からの距離には明確な差は見られなかった.このことから,実際の交通行動においては,小型車と大型車が同一の道路上を走行しなければならないという制約から,意識と行動との間に違いを生じさせられざるを得ないということが考えられる.

5. 結論

意識の上では,小型車と大型車のドライバーの間に差が見られているが,実際の行動においては,その差が少なくなっており,実際の行動においては,その差が少なくなっており,両ドライバー間で,何らかの精神負荷が存在することも考えられるため,大型車専用レーンなどの設置が進められることや,大型車の運動性能,安全性などの向上が進められることが望ましいと思える.


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