早稲田大学石田研究室


AF一眼レフカメラの使用感と手ブレに関する一研究

中原 久美子


1. 目的

写真撮影時の手ブレの度合いを調べ,そのときの構え方も記録・観察し,それと心理的評価や部位調査の結果と属性などがどう関係あるかを調べる.

2. 実験の概要

放射線状にLEDランプを取り付けた的を被験者に撮影してもらい,そのフィルムを現像し,スライドに拡大して光点の軌跡を測定する.撮影時には,ビデオカメラで被験者の状態の様子をVTRに収録し,保持方法や脇の締め方を観察する.また,撮影終了直後に質問紙を配布し,被験者の写真撮影時の心理的評価と局所的疲労などの回答を得,それを解析する.

3. 結果

(1)数量化III類による質問項目間の関係の解析結果

被験者グループでは(1)男性でブレ度小と中(2)女性でブレ度小と中(3)ブレ度大の3つのクラスターが,質問項目では(1)「指に違和感があった」と「緊張したところがあった」と「持ちやすい」(2)「手に圧迫感があった」(3)「疲れたところがあった」と「ふるえた所があった」の3つのクラスターが観察された.よって,ブレ度が小と中になる被験者は質問項目(1)と(2)を,ブレ度が大になる被験者は質問項目(3)を回答する傾向があるという結果が得られた.

(2)数量化II類による属性間の関係の解析結果

ブレ度が大きくなる傾向を示す属性は,性別では女性,カメラ別ではカメラ1,脇の締め方別では左脇のみ締める締め方,持ち方別では両手が下端にあたる部分をもっているのと右手が下端に左手が底部にという持ち方,という結果が得られた.
 また,性別・カメラ別より締め方別・持ち方別の方がブレ度と関係があり,中でも持ち方がブレ度に影響が大きかった.

(3)部位調査について

最も訴えが多くかつブレが大きくなるにしたがい増えるのは,緊張した部位は右上腕・右前腕,圧迫感を感じた部位は左右母指球と右中指の指尖球,疲れた部位は右上腕と手首と右中指と右母指球が,ふるえた部位は両前腕から肩にかけて,違和感のあった部位は右人差し指と右中指と両薬指だった.

4. 考察

(1)使用感について

ブレ度が大きい人は生理的負荷に,ブレ度が小さい人は心理的負荷に反応する傾向が見られたことから,ブレ度が大きい人は部位を非合理的に動かしていることで生理的に苦痛が反映され,ブレ度が小さい人はカメラの感触に感心があるのではないかと思われる.

(2)ブレの大きさと属性の関係について

左脇のみ締めている締め方が一番ブレが大きくなったのは,左側を軸とした右側の上下運動が生ずるのではないかと思われる.持ち方では,右手で下端を持った方法が一番ブレが大きくなったが,これは右人差し指が余計に伸びてしまって不自然な動きをするためだと思われる.

(3)部位調査について

項目全体として脇の部位の訴えが多いのは,カメラの重量・脇の締め方などに起因するものと思われる.カメラの重心が手掌のどの部位に与えられているかということで,ひいては腕のどの部位に疲労が蓄積されるか,ということになると思われる.

5. 結論

部位と生理的負荷は密接なかかわりを持っており,部位の負荷を取り除くことで生理的負荷全般への解消がなされ,幅広い対象にぶれない写真の撮影が可能になるだろうと思われる.そのためには,右中指から右母指球,手首にかけての疲れと両腕から両肩にかけてのふるえを取り除くことが必要である.

また,経験を積んでいるまたは上級者である対象については,心理的側面に訴える感触の改善が必要とされており,左腕の緊張感と右人差し指・右中指の違和感を感じさせなくなることが必要である.


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